KAST Reserve(公式名称はUSD Reserve Account)は、KAST内のUSD残高を「Reserve」という別枠に移しておくと、その残高に応じて日次で報酬が付く仕組みです。公式Reserve規約の日付は2026年8月20日で、規約本文にも同日から提供開始と書かれています。2026年8月の提供開始時に公式が示した優遇レートはStandard 6%、Premium 最大9%(最初の50,000ドルまで)、Private 最大12%(最初の200,000ドルまで)で、上限を超えた分は6%でした。2026年10月1日に当サイトが確認した公式Reserveページと公式ヘルプ(2026年9月9日更新)では、レートは Standard 8%、Premium 最大10%(最初の50,000ドルまで)、Private 最大12%(最初の200,000ドルまで)、上限超過分は8% に変わっています。一方、2026年8月19日更新の公式ヘルプ「報酬上限の仕組み」には旧来の6%/9%/12%の表が残っているため、自分に適用される率は必ずKASTアプリのAccountsタブの表示で確認してください。ロックアップはなく、いつでもUSD Spending Accountへ戻せると案内されています。
どの率であっても、これは期間限定の優遇レートです。ただし終了日は公式の文書間で食い違っています。2026年10月1日に確認した公式Reserve規約(2026年8月20日発効)の原文は「The Promotional Rate will apply through 31 December 2026 or until total platform reserves reach $100 million, whichever occurs first」で、2026年12月31日、またはReserve全体の預入総額が1億ドルに達した時点の、いずれか早い方です。一方、公式Reserveページは「Offer ends 1 July 2027」、公式ヘルプ(2026年9月9日更新)は「2027年6月30日、または総額1億ドル到達のいずれか早い方」と案内しています。両者が異なる場合は法的文書である規約が優先されるため、2026年12月31日で終わる可能性を前提に考えてください。期日より先に1億ドルへ到達すればその時点で終わります。規約には「上限があるため先着順で、決まった予告期間なしに終了しうる」とも書かれています。
元本保証ではありません。公式規約の冒頭には、USD Reserve Accountは銀行口座でも預金口座でも投資口座でも元本保証商品でもなく、預金保険の対象外だと明記されています。さらに「適用される報酬率は変更されることがあり、0%になる場合も含む」と書かれています。報酬はKASTが自社の収益とバランスシートから拠出する販促費であり、金融商品の利回りとは性質が異なります。
また日本在住者が対象かどうかは、2026年10月1日時点の公式情報では確認できていません。国別の対象リストは公開されておらず、公式は「特定の法域でのみ提供される場合がある」「すべての国で利用できるとは限らない」とだけ説明しています。使えるかどうかはアプリの表示で確認するしかない状態です。
2026年10月13日18時45分、運営者の日本在住アカウントでKASTアプリを開くと、USD Reserve Accountの案内画面が表示されました。画面の表記は次のとおりです。
- 「Enjoy boosted rates until mid-2027. Earn 8% reward rate now, returning to 4% after.」(2027年半ばまで優遇レート。現在は8%、その後は4%に戻る)
- ロックアップなし、引き出し制限なし。報酬はKASTが全額拠出
- 報酬は日次で自動計上
- Privateプランでは年12%
- Reserveから直接カードで支払える。手数料・ロックアップなし
これは開設前の案内画面で、続行すると規約への同意を求められます。表示された「その後は4%」は、2026年8月時点の公式表記(Standard 4%)と一致します。一方、終了時期は画面の「2027年半ば」と、公式Reserve規約の「2026年12月31日」が異なったままです(下記「いつ、どう終わるのか」参照)。適用される率と期限は、ご自身のアプリ表示で確認してください。

2026年8月31日に、公式サイト(kast.xyz/reserve)、公式ブログ(最終更新2026年8月28日)、公式規約(kast.xyz/legal/reserve、2026年8月20日付)、公式ヘルプ(concierge.kast.xyz のReserve関連7記事、いずれも2026年8月19日更新)を確認し、2026年9月12日、9月25日、10月1日に公式Reserveページ、公式規約、公式ヘルプを再確認しました。確認できた点と、確認できなかった点を分けて記載します。
- 確認できたこと:対象残高の上限、終了条件(2026年10月1日時点の公式規約の記載は2026年12月31日または総額1億ドルの、いずれか早い方)、日次計算の方法、カード決済での充当順、返金の扱い、元本保証・預金保険に関する否定文、報酬の原資、契約主体の所在地。
- 確認できなかったこと:優遇レートが2026年12月31日と2027年6月30日/7月1日のどちらで終わるのか(下記のとおり公式文書間で表記が割れています)、優遇レート終了後の標準レートが2026年8月時点の案内(Standard 4%、Premium 最大6%、Private 最大8%)のままかどうか(2026年10月1日時点の公式Reserveページでは該当する記載を確認できませんでした)、日本居住者が対象かどうか(国別リストの公開なし)、日本の資金決済法や金融商品取引法上の位置づけ、日本の金融庁への登録の有無、預かり資産の第三者監査や準備金証明(Proof of Reserves)の有無。
- 公式内で表記が揃っていない点(1)レートと終了日:2026年9月12日に当サイトが公式Reserveページを取得した時点では、8%/10%/12%と6%/9%/12%の2種類の表が同じページに併存していました。2026年9月25日と10月1日の再確認では、公式Reserveページは8%/10%/12%・「Offer ends 1 July 2027」だけになり、公式ヘルプ(2026年9月9日更新)も8%/10%/12%・2027年6月30日までとしています。しかし公式Reserve規約(2026年8月20日発効)は同日時点でも「through 31 December 2026」のままで、2027年の日付は含まれていません。当サイトの以前の版は「規約と会員規約が2027年6月30日としている」と書いていましたが、2026年10月1日時点の規約はそうなっておらず、会員規約(2026年4月13日発効)にもReserveの終了日の記載はありません。規約とそれ以外の案内が異なる場合は規約が優先されます。
- 公式内で表記が揃っていない点(2)最低金額:Reserveに移す最低金額について、2026年8月31日時点では公式Reserveページと公式ブログが「$10」、公式ヘルプと公式規約が「$2」としていました。2026年10月1日時点の公式Reserveページは「$2 to move in」に揃っています。規約の表記は「KASTが設定する可変の金額で、既定はUSD 2.00」です。実際の下限はアプリの入力画面の表示を優先してください。
期間限定の優遇レートは、上限到達によって予告なく終了しうると公式が明記しています。数字だけを見て判断せず、規約の終了条件とリスク条項を先に読むことをおすすめします。
このページで確認すること
Reserveは、レートの高さより「いつ終わるか」「何が保証されないか」「自分が対象か」を先に見た方が判断を誤りにくい仕組みです。次の順番で確認します。
KASTアプリのAccountsタブに USD Reserve Account が表示されるかを見ます。表示されなければ、その時点で対象外です。
自分のMembershipのレート、上限、終了条件、終了後のレートを公式画面で確認します。年会費を払うかはこの後で考えます。
元本保証がないこと、報酬が0%になりうること、税務上の記録が必要になることを踏まえて、金額を決めます。
KAST Reserveとは何か
KAST Reserve(USD Reserve Account)は、KASTアプリ内にあるUSD残高のうち、一部を「Reserve」という別の枠に移しておくと、その残高に応じて日次で報酬が付く機能です。公式ブログでは、支払いと支払いの間に眠っているUSD残高に報酬を付ける仕組みとして紹介されています。
重要なのは、これが独立した口座ではなく同じKASTアカウント内の帳簿上の区分だという点です。公式規約には「Reserve Accountに移すことは帳簿上の指定にすぎず、資金の法的性質を変えるものではない」と書かれています。外部からの入金や出金は必ずUSD Spending Account(USD Virtual Account)を経由し、Reserveから直接外部へ送金することはできません。
KAST自体の基本的な仕組みやカードの位置づけはKASTとは何かを整理した記事で、Membershipや手数料はKAST Cardの手数料とMembershipの記事で扱っています。
レートと上限(公式表記が2種類ある点に注意)
2026年8月31日時点では、公式Reserveページ、公式ブログ、公式ヘルプの3か所で数値が一致していました(Standard 6%/Premium 最大9%/Private 最大12%、上限超過分はStandardと同じ6%)。その後、2026年10月1日に確認した公式Reserveページと公式ヘルプ(2026年9月9日更新)では、Standard 8%/Premium 最大10%/Private 最大12%、上限超過分は8%に変わっています。下の表では現行の案内(表記B)を基準に、提供開始時の数値(表記A)を参考として並べます。判断の前にKASTアプリのAccountsタブの表示と必ず突き合わせてください。
| Membership | 年会費 | 表記A(提供開始時・2026年8月の公式表記) | 表記B(2026年10月1日の公式Reserveページ・公式ヘルプ) | 対象残高の上限 | 上限超過分(表記A → 表記B) |
|---|---|---|---|---|---|
| Standard | 無料 | 6% | 8% | 個別の上限は示されていない(公式ページの表記はUnlimited) | — |
| Premium | 年1,000ドル | 最大9% | 最大10% | 最初の50,000ドルまで | 6% → 8% |
| Private | 年10,000ドル | 最大12% | 最大12% | 最初の200,000ドルまで | 6% → 8% |
| 優遇レート終了後 | 同上 | Standard 4% / Premium 最大6% / Private 最大8%(2026年8月時点の公式表記) | 2026年10月1日時点の公式ページでは記載を確認できず | 上限は据え置きと案内 | 4%(表記A) |
ここで混同しやすいのが、Membershipページに並ぶ50,000ドルと200,000ドルという数字の意味です。これはカードのキャッシュバック上限ではなく、Reserveの残高上限を指しています。カード決済のキャッシュバックは別枠で、Standardが月2,000ドルまで1.5%、Premiumが月10,000ドルまで2%、Privateが月40,000ドルまで3%です。同じページに両方の数字が並ぶため、アプリ内でどちらの上限を見ているかを確かめてください。カード側の条件は手数料とMembershipの記事で詳しく扱っています。
また、Membershipが失効したりダウングレードした場合、規約では適用レートが即座にStandardの水準まで下がると定められています。年払いの更新に失敗した場合も同様です。KASTは30日前を目安に通知するよう努めるとしていますが、請求失敗や口座制限などKASTの管理外の事情による場合は事前通知ができないこともあると明記されています。
報酬はどう計算されるのか
公式ヘルプでは、日次の計算式が次のように示されています。年率を365で割り、UTC日のうち残高がReserveにあった時間で按分する方式です。
この方式のため、UTC日の終わり近くに資金を移しても、その日はほとんど報酬が付きません。また公式ヘルプは、Reserveから引き出す指示を出した時点、コンプライアンス審査の対象になった時点などで報酬の計算対象から外れると説明しています。「年率8%」という表示は、その残高を1年間動かさなかった場合の目安であり、出し入れをすれば当然それより少なくなります。
あわせて規約には、付与前の報酬は「earned, due or payable ではない」と書かれています。実際にUSD Spending Accountへ付与されるまでは、KASTの側で減額・取消・保留ができる状態だという意味です。アプリ内に表示される見込み額は、規約上「その時点の推定値であり、将来を拘束する契約上の効力も予測上の効力も持たない」と明記されています。
年会費を払う意味があるのはいくらからか
公式ヘルプは、Reserveの報酬だけで年会費を回収できる残高の目安を自ら示しています。以下はKASTが公表している数値です。
| Membership | Standardとの差 | 年会費 | 公式が示す回収の目安 |
|---|---|---|---|
| Premium | +2%(8% → 10%) | 年1,000ドル | Reserve残高 約50,000ドル |
| Private | +4%(8% → 12%) | 年10,000ドル | Reserve残高 約250,000ドル |
公式もこの数値について「Reserveの報酬と年会費だけを比べた簡略な例で、その他のMembership特典は含まない」「将来の報酬を保証するものではない」と注記しています。この回収目安は、2026年10月1日に確認した公式ヘルプ(2026年9月9日更新)がStandard 8%/Premium 10%/Private 12%を前提に示している数値です。提供開始時の6%/9%/12%を前提にした以前の目安(Premium約33,334ドル、Private約166,667ドル)より、回収に必要な残高は大きくなっています。日本円に換算すると、Premiumで概ね700万円規模、Privateで3,500万円を超える規模の残高を、報酬率が下がるまで1年間置き続けるという前提の計算です。
さらに、この目安は優遇レートが1年間続くことを前提にしています。優遇レートの期限は、公式規約では2026年12月31日、公式ページとヘルプでは2027年6月30日/7月1日と表記が割れており、いずれの場合もReserve全体の預入総額が1億ドルに達すればその時点で率が下がるため、途中から始めた場合や上限に早く到達した場合は、回収に必要な残高がこれより大きくなります。年会費の判断は、Reserveの報酬だけでなく、カードのキャッシュバック、KAST Points、Visa Infinite特典を合わせて見てください。
いつ、どう終わるのか
公式規約は、導入時のレートをPromotional Rate(優遇レート)と定義し、終了条件を2つ挙げています。2026年10月1日に確認した規約(2026年8月20日発効)の原文は「The Promotional Rate will apply through 31 December 2026 or until total platform reserves reach $100 million, whichever occurs first」です。
- 規約上の期日(2026年12月31日)を過ぎたとき。公式Reserveページは「1 July 2027」、公式ヘルプは「2027年6月30日」と別の日付を案内しています。
- Reserve全体の預入総額がUS$100,000,000に達したとき(KASTの記録により判定)。こちらが先に来れば、期日を待たずにその時点で終了します。
終了日は公式の文書間で表記が割れています。2026年10月1日時点で、公式Reserve規約(2026年8月20日発効)は2026年12月31日、公式Reserveページは2027年7月1日、公式ヘルプ(2026年9月9日更新)は2027年6月30日としています。当サイトは2026年9月12日の版で「規約と会員規約が2027年6月30日としている」と書きましたが、2026年9月25日と10月1日に確認した規約は2026年12月31日のままで、会員規約(kast.xyz/legal/kast-membership-agreement、2026年4月13日発効)にもReserveの終了日の記載はありませんでした。訂正します。規約とそれ以外の案内が異なる場合は規約が優先されるため、2026年12月31日で優遇レートが終わる可能性を前提に判断してください。KASTが規約を改定した場合は、その改定後の規約が基準になります。
このいずれか早い方で、自動的に標準レートに切り替わります。2026年10月13日のアプリの案内画面は「2027年半ばまで8%、その後4%に戻る」と表示していました。標準レートは2026年8月時点の公式表記ではStandard 4%、Premium 最大6%、Private 最大8%(上限超過分4%)でしたが、2026年10月1日時点の公式Reserveページではこの記載を確認できませんでした。終了後に何%になるかは、終了時点の公式案内とアプリの表示で確認してください。規約には「上限があるため優遇レートは先着順であり、決まった予告期間なしにいつでも終了しうる。終了時に通知し、上限の消化状況は公開する。この早期終了はあらかじめ合意されたものであり、規約の変更にはあたらない」という趣旨の条項があります。つまり、途中で率が下がっても規約違反ではないという整理です。
加えて規約には、緊急時の例外条項があります。セキュリティ事故、不正の疑い、技術的問題、規制当局の指示などがある場合、KASTは通常の通知手続きを経ずに即時にレートを引き下げたり機能を停止したりできると定められています。通知期間についてはEUが2か月、米国とエルサルバドルを含むその他の市場が30日と規定されていますが、日本を名指しした規定は確認できませんでした。
公式が「利回りではない」と繰り返す理由
検索では「KAST 利回り」「KAST USD残高 金利」といった言葉で調べられることが多い仕組みですが、KAST自身はこれを利回りや金利と呼ぶことを一貫して否定しています。公式Reserve規約には次のように書かれています。
「Reserve Rewardのいかなる部分も、利息、利回り、またはReserve残高を保有した期間に関連するその他の利益ではなく、またそれを意図したものでもない」(公式Reserve規約 第2条 No Interest、訳は当サイト)
公式ブログとヘルプでも「利息・APY・利回り・投資リターンではない」という文言が繰り返されています。これは言葉の言い換えではなく、報酬の出どころが違うことを示しています。公式は、この報酬をKASTが自社の収益とバランスシートから拠出する販促費・顧客誘因(subsidy and customer incentive)だと説明しています。
さらに規約には「KASTは逆ざやを吸収せず、利ざやを保証せず、利回りを引き受けるバランスシートモデルを維持していない」という趣旨の条項があります。運用益から支払う仕組みではなく、KASTが販促費として負担している以上、KASTがその負担をやめれば報酬も止まるという構造です。規約が「報酬率は0%になる場合も含めて変更されうる」と明記しているのは、この構造の裏返しです。
資金の保管について、公式は「顧客資金はステーブルコインと国債等価物で保守的に保有している。ループも、デリバティブも、裏もない」と説明しています。ただし、この説明を裏づける第三者監査の報告や準備金証明(Proof of Reserves)は、公式サイト・規約・ヘルプのいずれでも確認できませんでした。
見落としやすいリスク
公式規約に明記されているもののうち、日本から使う場合に効いてくる点を整理します。いずれもKAST自身が書いている内容です。
| 項目 | 公式に書かれている内容 | 読み方 |
|---|---|---|
| 元本保証 | 銀行口座・普通預金・預金口座・譲渡性預金・投資口座・元本保証商品のいずれでもない | 減らないことが約束された商品ではない |
| 預金保険 | 預金保険や同等の政府保証の対象外。FDIC、FSCS、EDISのいずれにも該当しないと列挙 | 破綻時に公的な保護を期待できない |
| 報酬の変動 | 「適用される報酬率は0%になる場合を含めて変更されうる」 | 提示された率が続く保証はない |
| 事業者リスク | 報酬はKASTの収益とバランスシートから拠出。逆ざやは吸収しないと明記 | KASTの事業継続性に依存する |
| 契約主体 | KAST Tech(登録番号16223)、コモロ連合アンジュアン島に所在 | 日本の法人ではなく、日本の規制の枠外 |
| 未付与の報酬 | 実際に付与されるまでは「発生も履行期も到来していない」。終了時に減額・取消しうる | 画面上の見込み額は確定額ではない |
| 引出の確実性 | 移動は即時や常時利用可能とは保証されない。審査、障害、規制指示等で遅延・停止しうる | 必要な時にすぐ動かせない場面がありうる |
| 大口残高の審査 | 大きな残高は自動でフラグが立ち、資金源・資産源の証明を求められる。期限内に応じなければ即時凍結または閉鎖 | 書類を用意できないと動かせなくなる |
| 提供の停止 | 規制対応のため、特定の市場・法域で予告なく制限・停止しうる | ある日突然使えなくなる可能性がある |
公式規約に書かれていない、しかし性質上避けられないリスクもあります。Reserveの残高はUSD建てですが、その原資はステーブルコインです。ステーブルコイン自体のデペッグや発行体のリスクは残ります。また日本在住者にとっては、USD建てで報酬が増えても、円高になれば円換算の資産は目減りします。「年6%」という数字だけを為替を無視して見ないでください。
当サイトは投資助言を行いません。ここに挙げたのは公式が開示している条件とリスクの整理であり、資金を置くべきかどうかの判断ではありません。判断は、失っても生活に影響しない範囲かどうかをご自身で検討したうえで行ってください。
カード決済・返金との関係
Reserveは「使えないお金」ではありませんが、カード決済との関係には順番のルールがあります。公式規約では、Reserve Accountはカード決済の最後の資金源と位置づけられ、他の利用可能な資金源をすべて使い切った後にのみ充当されると定められています。公式ヘルプはより簡略に「USD Virtual Accountから先に引き落とし、足りなければReserveから充当されることがある」と説明しています。
- Reserveから充当されると対象残高が減るため、その後の日次報酬も減ります。
- その決済が後で返金された場合、返金はUSD Spending Accountに戻り、Reserveには自動で戻りません。報酬の計算を再開するには自分で移し直す必要があります。
- 規約には、返金までの期間に生じた「失われた報酬」についてKASTは責任を負わないと明記されています。
- Reserveから直接の外部送金・出金はできません。必ずUSD Spending Accountへ戻してからになります。
公式ヘルプの例では、USD Spending Accountに30ドル、Reserveに80ドルある状態で50ドルを決済すると、まず30ドルが引き落とされ、残り20ドルがReserveから充当されると説明されています。日常的にカードを使いながらReserveに残高を置く場合、意図せず対象残高が削られていく点は把握しておいてください。
日本在住者は対象か
2026年10月1日時点で、日本居住者が対象であることを公式情報で確認できていません。KASTは国別の対象リストを公開しておらず、確認できたのは次の記述だけです。
- 公式Reserve規約 第1条 Market Restraints:この機能は特定の法域、国、地域でのみ利用可能な場合があり、その提供は適用法の要件に従うという趣旨の記載。
- 公式ヘルプ:Reserveは現在、対象となるユーザーにのみ提供されており、すべての国、あるいは展開のすべての段階で利用できるとは限らないという趣旨の記載。有効になっていないアカウントは報酬の対象にならないとも書かれています。
- 公式規約 第1条 Regulatory Adjustments:KASTは規制対応のため、いつでも特定の市場・法域で提供を制限・停止・終了できるという記載。
- 通知期間の地域別規定にはEU、米国、エルサルバドルが挙げられていますが、日本を名指しした規定は見当たりませんでした。
2026年10月13日には、運営者の日本在住アカウントのKASTアプリでUSD Reserve Accountの案内画面(8%、その後4%)が表示されました。ただしこれは開設前の画面で、日本居住者が規約上の対象であることを公式が明言したわけではありません。
実務上の確認方法は、KASTアプリのAccountsタブに USD Reserve Account が表示されるかどうかを見ることです。公式ヘルプも、最新のレート・上限・条件はアプリのAccountsタブで確認するよう案内しています。表示されない場合、その時点では対象外ということになります。
あわせて確認しておきたいのが規制上の位置づけです。契約主体はコモロ連合アンジュアン島に所在するKAST Tech(登録番号16223)で、規約には「KASTは銀行、信用機関、貯蓄組合、伝統的な預金取扱機関ではない」と明記されています。日本の資金決済法や金融商品取引法上どう扱われるか、金融庁への登録があるかどうかについては、公式情報の中で確認できませんでした。日本の登録業者が提供するサービスと同じ前提で見ないでください。
日本での税務上の扱い
当サイトは税務判断を行いません。以下は考え方の整理と、記録として何を残すべきかの案内です。実際の申告は税理士または所轄の税務署にご確認ください。
一般論として、国税庁は暗号資産を売却または使用することにより生じる利益について、原則として雑所得に区分され確定申告が必要になると説明しています。Reserveの報酬はUSD建てのキャッシュバックとして付与されますが、その原資となる残高はステーブルコインの入金に由来します。そのため、付与された報酬をどの時点でどう区分するか、円換算をいつのレートで行うかは、個別の事情によって変わりえます。「カードのポイント還元だから非課税」と単純に整理できるとは限らない点は意識しておいてください。
KAST自身も、公式Reserve規約の第15条で、投資・財務・法務・会計・税務のいずれの助言も行わないこと、Reserveの報酬・移動・引出・損益に関して報告義務等の影響があるかを判断するのは利用者の責任であることを明記しています。
報酬は日次で付与されるため、件数が積み上がりやすいのが実務上の負担です。仮想通貨カード全般の記録の考え方は仮想通貨カードの税金と記録の記事で整理しています。
使う場合に残しておくもの
- Reserveへ移した日時(UTCと日本時間の両方)、金額、その時点のUSD/JPYレート。
- 日次の報酬付与額と付与日時。件数が多くなるため、月次でCSVまたはスクリーンショットにまとめる。
- 適用されていたレートとMembership Tier。優遇レート終了後は率が変わるため、いつ変わったかを記録する。
- Reserveから引き出した日時と金額、カード決済でReserveから充当された明細。
- 返金が発生した場合、返金額がUSD Spending Accountに戻った日時と、Reserveへ戻し直した日時。
- アプリ内に表示されていた条件(レート、上限、最低額)の画面。公式表記が変わる可能性があるため、判断した時点の表示を残す。
優遇レートの期限は、公式規約上は2026年12月31日(公式ページとヘルプは2027年6月30日/7月1日と案内)で、それ以前でもReserve全体の預入総額が1億ドルに達した時点で終了します。切り替わりをまたぐと同じ残高でも期間によって適用率が変わるため、切り替わりの前後は特に記録を残しておくと安全です。終了日や適用率の表記が公式文書間で割れている状態なので、判断した時点のアプリ画面を残しておく意味は通常より大きくなります。
よくある質問
KAST Reserveは日本在住者のアプリにも表示されますか?
2026年10月13日、運営者の日本在住アカウントのKASTアプリで、USD Reserve Accountの案内画面(2027年半ばまで8%、その後4%、Privateプランで12%)が表示されました。ただし開設前の画面で、公式は国別の対象リストを公開していません。ご自身のアプリのAccountsタブで表示と規約を確認してください。
KAST Reserveの報酬は「利回り」や「金利」ですか?
公式は明確に否定しています。Reserve規約には「No part of any Reserve Reward is, or is intended to be, interest, yield, or any other benefit related to the length of time during which you hold a Reserve Balance.」と書かれ、公式ブログやヘルプでも「利息・APY・利回り・投資リターンではない」と繰り返し明記されています。KASTが自社の収益とバランスシートから拠出する販促上の報酬という位置づけです。検索では「KAST 利回り」と呼ばれることがありますが、金融商品の利回りとは性質が異なる前提で見てください。
元本は保証されますか?預金保険の対象ですか?
いいえ。2026年8月31日に確認した公式Reserve規約のImportant Risk Warningには、USD Reserve Accountは銀行口座、普通預金口座、預金口座、譲渡性預金、投資口座、元本保証商品のいずれでもないと明記されています。預金保険や同等の政府保証の対象外で、FDIC(米国)、FSCS(英国)、EDIS(EU)のいずれにも該当しないと具体的に列挙されています。日本の預金保険機構についての言及も確認できていません。
8〜12%という報酬率はいつまで続きますか?
この率はPromotional Rate(導入時の優遇レート)で、終了日は公式の文書間で表記が割れています。2026年10月1日に確認した公式Reserve規約(2026年8月20日発効)は「2026年12月31日、またはReserve全体の預入総額がUS$100,000,000に達した時点の、いずれか早い方」、公式Reserveページは「2027年7月1日」、公式ヘルプ(2026年9月9日更新)は「2027年6月30日、または総額1億ドル到達のいずれか早い方」としています。規約とそれ以外の案内が異なる場合は規約が優先されるため、2026年12月31日で終わる可能性を前提にしてください。総額が先に1億ドルへ達すればその時点で終わり、規約には「Cap があるため先着順であり、決まった予告期間なしにいつでも終了しうる」旨も明記されています。2026年10月1日時点の公式Reserveページと公式ヘルプのレートはStandard 8%/Premium 最大10%/Private 最大12%(提供開始時は6%/9%/12%)です。終了後の標準レート(2026年8月時点の公式表記ではStandard 4%、Premium 最大6%、Private 最大8%)は、2026年10月1日時点の公式Reserveページでは記載を確認できませんでした。自分に適用される率はKASTアプリのAccountsタブの表示で確認してください。
日本在住者はKAST Reserveを使えますか?
2026年10月1日時点で、公式に国別の対象リストは確認できていません。公式Reserve規約のMarket Restraints条項は「この機能は特定の法域、国、地域でのみ利用可能な場合がある」とし、公式ヘルプも「Reserveは現在、対象となるユーザーにのみ提供されており、すべての国で利用できるとは限らない」と説明しています。実際に使えるかどうかは、KASTアプリのAccountsタブにUSD Reserve Accountが表示されるかで確認してください。当サイトでは日本居住者が対象であることを確認できていません。
Reserveに移す最低金額はいくらですか?
公式内で表記が揃っていませんでした。2026年8月31日時点では、公式Reserveページと公式ブログが「$10 minimum」、公式ヘルプ記事と公式Reserve規約が最低2ドルとしていました。2026年10月1日時点の公式Reserveページは「$2 to move in」と案内しています。規約の表記は「KASTが設定する可変の金額で、既定はUSD 2.00」です。実際の下限はアプリの入力画面の表示で確認してください。
カードで決済するとReserveの残高は減りますか?
減る場合があります。公式Reserve規約では、Reserve Accountはカード決済の「最後の資金源」として位置づけられ、他の利用可能な資金源をすべて使い切った後にのみ充当されると書かれています。Reserveから充当されると対象残高が減るため、その後の報酬も減ります。またその決済が後で返金された場合、返金はUSD Spending Accountに戻り、Reserveには自動で戻りません。報酬の計算を再開するには自分で移し直す必要があり、その間の報酬は補償されないと明記されています。
日本の税金ではどう扱われますか?
当サイトは税務判断を行いません。一般論として、国税庁は暗号資産を売却または使用することにより生じる利益について、原則として雑所得に区分され確定申告が必要になると説明しています。Reserveの報酬はUSD建てのキャッシュバックとして付与されますが、原資となる残高がステーブルコイン由来であるため、どの時点でどう区分するかは個別の事情によります。KAST自身も規約で税務助言は行わないこと、報告義務の判断は利用者の責任であることを明記しています。付与日時(UTC)、付与額、その時点の円換算額を月次で保存したうえで、税理士または所轄の税務署に確認してください。
公式ソース
本記事の数値と規約の記述は2026年8月31日に、優遇レートの終了日とレート表記の食い違いは2026年9月12日、9月25日、10月1日に、以下の公式ページで確認しました。条件は変更されることがあるため、判断の直前には公式画面とアプリの表示を優先してください。